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映画『君たちはどう生きるか』鑑賞

この作品は、宮崎駿監督(以下、宮崎という。)が、2013年公開の「風立ちぬ」以来10年ぶりに世に送り出した長編アニメです。タイトルとポスター1枚が発表された以外、内容はもちろん、キャストやスタッフなど一切明らかにされず、プロモーションも行われないまま劇場公開された話題作です(1)

今回は、公開後1ヵ月が経過した平日午後の鑑賞でした。しかし会場はほぼ満席で(2)、関心の高さが伺えました。

内容は、主人公の眞人(あさと)が、様々な場面における自らの決断を通じて「真の人」へ成長していく姿を描いたものでした。タイトルの『君たちはどう生きるか』は、吉野元三郎(以下、吉野という。)の著書と同じです。吉野は当時、日本が第二次世界大戦へ向かいつつある中、社会を見つめ、友を得て、自分の頭で考えることの重要性をへ訴えました。宮崎も現代において、同じことを訴えているように感じました。 

残念ながらこれに対する共通解はありません。1人1人が自分で考えて判断し行動するしかなく、夏休みの宿題をもらった気がします。なお、眞人が、①頭の怪我で休んでいる際に枕もとの「水差し」で水を飲むシーン、②自家製の矢を作る際に「米粒を糊替わり」にするシーンは昔を思い出し、懐かしかったです。

(1)7月14日に劇場公開された。

(2)客層は大人が中心だった。