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『江口寿史展 ノット・コンプリーテッド』鑑賞

 

世田谷文学館で開催されている『江口寿史展 ノット・コンプリーテッド』を鑑賞しました。

江口は、1956年生まれの漫画家・イラストレーターです。1980年代からは、主にイラストレーターとして多方面で活躍しています。したがって現在は、イラストレーターのイメージが強いかもしれません(1)。しかし元々は、1977年に「週刊少年ジャンプ」でデビューした漫画家です。特に、『すすめ!! パイレーツ(2)』『ストップ!! ひばりくん!(3)』の印象が強く足を運びました。

今回、(改めて)感心したこと・思い出したこと、(初めて)知ったことがありました。

・感心したこと 『ストップ!! ひばりくん!』の大空ひばりの、外観は美少女だが、その正体は女装した少年という設定は、LGBTQやトランスジェンダーがほとんど知られていなかった当時、斬新だった(に違いない)こと。

・思い出したこと 『すすめ!! パイレーツ』の「ぶりっこ」「ざーとらしい」といった言葉は、最初に女子中高生の流行語となり、その後普通に使われるようになったこと。

・知ったこと 遅筆で有名な江口。『ストップ!! ひばりくん」も未完のまま放置されていた。しかし『ストップ!! ひばりくん! コンプリート・エディション』として完結していたこと。

おかげさまで、久し振りに江口ワールド(漫画の世界)を満喫しました。引き続き(展示会のタイトルでもある)「ノット・コンプリーテッド」からの挑戦を応援したいと思います。

(1)実際、多くのイラストレーション展が開催されている。しかし今回は、漫画にフォーカスした展示会だった。

(2)千葉県出身の選手のみで構成された架空のプロ野球球団「千葉パイレーツ」と、その選手達を中心に描いたギャグ漫画。

(3)母親が亡くなったことをきっかけにヤクザの大空組に世話になる(高校生)坂本耕作と、(大空組の跡取り)大空ひばりを中心としたラブコメディ。