· 

映画『PERFECT DAYS』鑑賞

この作品は、1人の男性によって規則正しく繰り返される日常生活を細部にまでこだわって丁寧に描いています(1)。次の点が印象深かったです。

①監督がドイツ人のWim Wendersであること(2) 

②公衆トイレを大切に使って欲しいというメッセージが込められていること(3) 

③日本の古き良きことがたくさん含まれていること(4) 

変わり映えしない、当たり前の日常が続くことの幸せを改めて感じました(年明け早々、能登半島での地震や羽田空港での航空機衝突事故(5)見舞われたこともあり)。

(1)東京の片隅でトイレ清掃員として暮らす無口な男性は、平日は、①夜明け前に目覚め、②歯を磨き、③髭を整え、④自動販売機で缶コーヒーを買い、⑤お気に入りの音楽をカセットテープで聴きながら車を走らせ、⑥トイレ掃除の仕事を行い、帰宅後は、⑦銭湯で汗を流し、⑧いつもの(ガード下の)飲み屋のレモンサワーで晩酌をし、⑨文庫本を読みながら眠りにつく。楽しみは、①小さな苗木を育てること、②お昼の休憩時に木漏れ日の写真を撮ること。週末は、①コインランドリーで洗濯をし、②写真屋で趣味のカメラのフィルムを入れ替え、③古本屋で100円の本を買い、④馴染みのスナックでレモンサワーとママとの会話を楽しむ。

(2)公式パンフレットによると、同監督は、「1945年生まれ。70年代のニュー・ジャーマン・シネマを生み出したひとりであり、現代映画を代表する映画監督で」「小津安二郎との出会いは、キャリアの中で大きな出来事だった」そうである。

(3)同パンフレットによると、THE TOKYO TOILET, Shibuya Tokyo Japan(渋谷区の公共プロジェクト)は、「渋谷区にある公共トイレを、世界的な建築家やクリエィターたちがそれぞれの視点でリニューアル」し、「現在17ヶ所が完成し、海外メディアからの注目も大きく、「公共」という意識そのものをアップデートする取り組みになりつつある。」とのことである。

(4)例えば、①木造アパート、②カセットテープ、③カメラ、④いつもの銭湯と古本屋、⑥行きつけの飲み屋・スナック。

(5)出典:2024年1月2日付日本経済新聞電子版羽田空港でJAL機炎上 乗客乗員379人は脱出、14人負傷 - 日本経済新聞 (nikkei.com)