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日銀が株式の売り手に転じる

10年以上にわたり上場投資信託(ETF)を購入し、事実上の株価下支えという異例の取り組みをしてきた日銀が、2023年に株式の売り手に転じたそうです(1)。本件を前向きに評価する報道も散見されるようです(2)

この点、日銀が日本企業の大株主という状態は、市場機能と財政規律の観点から早期に解消したいところです(3)。しかし、「暦年ベースで売り手になるのは、10年のETF買い入れ開始後で初めてだ」が、「フローでの買い入れをやめても、巨額ETF保有(23年9月末で時価約61兆円)は残り、その扱いは課題であり続ける」という指摘もされています(4)。となると、やはり鍵を握るのは日本企業の稼ぐ力でしょうか。2024年は企業努力が問われる年になりそうです。

(1)出典:2024年1月9日付日本経済新聞電子版日銀、2023年は株式の「売り手」に ETF購入開始後で初 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

(2)例えば、①2024年1月11日付日本経済新聞電子版日本株高、進んだ脱「日銀頼み」 海外勢23年買越額3兆円 - 日本経済新聞 (nikkei.com)、②同年月12日付同版東証の株式時価総額、アジア首位返り咲き 上海証取超え - 日本経済新聞 (nikkei.com)

(3)大株主としての日銀が、どのように議決権行使を行っているのかという点も興味深い。 

(4)前掲(1)