米証券取引委員会（SEC）が、米上場企業に対して、温暖化ガス排出量の開示を義務付ける規則を採択したそうです。出典：2024年３月７日付日本経済新聞電子版温暖化ガス開示義務づけ、米でも 企業の対応急務に - 日本経済新聞 (nikkei.com)
本件は２年前に規則案が提案されています。したがって既定路線でしょうか。しかし、①規則案に盛り込まれていたスコープ３は対象から外され(1)、②本件に批判的な米商工会議所は法廷闘争に踏み切るという見立て(2)もあります。したがって、「日米欧など世界主要地域が開示制度化で足並みをそろえる」方向にあるかどうかは、もう少し時間をかけて見極める必要がありそうです(3)。
(1)背景として、「スコープ３は把握するためのコストが重いうえ、上場企業と取引のある非上場企業に間接的な負担を強いる。産業界は負担増に懸念を示し、ESG（環境・社会・企業統治）をイデオロギー的と見なす野党・共和党は批判した。当初案を提案した後のパブリックコメントでは2万4,000件以上の意見が寄せられ、異例の多さとなった」ことが紹介されている。
(2)出典：2024年３月７日付日本経済新聞電子版米SEC、上場企業に排出量の開示義務 トヨタやソニーも - 日本経済新聞 (nikkei.com) また、「SEC委員の投票結果は3対2と、共和党系委員2人が反対票を投じた」とされている。
(3)例えば日本の金融庁は、開示対象をプライム上場企業の全てかその一部にする方針である。