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IFRS 損益計算書の開示ルールを変更

国際会計基準(IFRS)による損益計算書の構造が見直され、2027年度から、①新たに「営業」「投資」「財務」の3区分が設けられ、②本業のもうけを示す「営業利益」の計算ルールが統一されるそうです。出典:2024年7月10日付日本経済新聞電子版「営業利益」ルール統一 国際会計基準、比較しやすく - 日本経済新聞 (nikkei.com) 損益計算書3区分に刷新 国際会計基準、27年度強制適用 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

本件、先ず先日のSSBJ基準案同様、それぞれの国や地域における関連法規制(の趣旨や目的)を勘案することなく、トップダウンで制定される新しい会計基準(IFRS第18号)が機能し得るのか?という素朴な疑問が生じます。次に日本基準への影響が気になります。大日方隆(2023)『日本の会計基準 Ⅲ変容の時代』で勉強させて頂いた通り、①コンバージェンスありき、コンバージェンスの制約は所与という現状がある一方、②IFRSの後追いが全て良いわけではなさそうだからです。またIFRSは「世界の企業で普及して」おり、「日本でも導入企業が増えて」いるとのことです。この点、日本でIFRSの任意適用が認められたのは2011年3月期からです。その後15年弱を経た2024年「6月末時点で東京証券取引所に上場する約270社が採用している」現状を、導入企業「数」が増えているとは言い辛いかもしれません (1)。最後に本件は、2024年7月11日付日本経済新聞朝刊(紙)の一面トップでした(2)

(1)同時点の上場会社数は3,946社(内訳はプライム1,644・スタンダード1,603・グロース589・TOKYO PRO Market110)。

(2)ただ「持分」ではなく「持ち分」と記載されていたのは残念だった。