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①上野三碑(こうずけさんぴ)を見学する

先日、(勤務校所在地である)高崎市に所在する上野三碑(こうずけさんぴ)を見学しました。

上野三碑は、7世紀から8世紀にかけての古代の石碑3基(1)の総称です。古代の石碑は、日本に18例しかありません(2)。その中で上野三碑は「最古の石碑」です。したがってその歴史的価値の高さから、3基とも、1954年に国の「特別史跡」に指定されています。2017年にはユネスコの「世界の記憶(世界記録遺産)(3)」に登録されました。

この分野は素人で専門的なことは全く分かりません。しかし、「三碑の記録形態は、上野国に住み着いた朝鮮半島からの渡来人がもたらしたもので、かれらとの密接な交流の中で、当時の都(飛鳥、奈良)から遠く離れた地元の人々によって文字で刻まれたもので」あるという事実を興味深く感じました。なぜなら地元の人々は、渡来人を受け入れることで多様性を身に付けていったと解されるからです。現代に生きる私たちが、これから身に付けるべき素養(の1つ)である多様性の意義を示唆されたことは印象的でした。

なお今回、「山上碑・金井沢碑を愛する会」が発行する(三碑それぞれの)ご証文を頂きました。ありがとうございました。せっかくの品なので研究室に飾ろうと思います。

写真は、1枚目がJR高崎駅前の看板(4)、2~8枚目が金井沢碑、9~16枚目が山上碑(・山上古墳)、17~23枚目が多胡碑(・多胡碑記念館)、24~26枚目がご証文です。

(1)3基は、山上碑(やまのうえひ・681年)、多胡碑(たごひ・711年頃)、金井沢碑(かないざわひ・726年)。

(2)18例はいずれも7世紀から11世紀のもの。

(3)世界的に重要な記録物への認識を高め、保存やアクセスを促進することを目的とし、ユネスコが1992年に開始した事業の総称。「ベートーベン交響曲第9番の自筆譜」「アンネ・フランクの日記」「マグナ・カルタ(大憲章)」など約500件が全世界で登録されている。

(4)上野三碑に関心を抱いた(存在を知った)きっかけは、JR高崎駅前のこの看板だった。