· 

株式保有目的の変更-開示-

金融庁は上場企業に対し、株式の保有目的を変更する場合に、有価証券報告書で変更理由や株売却の諾否を得ているかを開示するよう義務づけるそうです。2024年8月22日付日本経済新聞電子版政策保有株「形だけ解消」防止 金融庁、開示義務を拡大 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

確かに、「現在は保有目的を変更した銘柄の株数と時価のみが開示の対象となってい」るかもしれません。しかし、例えば、金融商品実務指針281項は、「保有目的区分を厳格にすることにより判断の恣意性を排除することとしており、原則として取得当初の保有目的を取得後に変更することは認めず、第80項に示すとおり、保有目的区分の変更が認められる場合を限定してい」ます。開示の充実を切り口にして、「月内にも公表する新たな金融行政方針に方針を盛り込む」ことが、どの程度の実効性(抑止力)を発揮し得るのか興味深いところです(1)

(1)例えば、地方銀行を中心に株式の保有目的を変更する動きが相次いでいるとすれば、開示の問題というよりは、①経営(者)の問題、②取締役(会)の問題なのかもしれない。また、認識→測定→記録→表示→開示という会計プロセスにおける開示の位置付けを検討(整理)することも必要かもしれない。