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投資家(ファンド)の要求

DIC(1)は、保有・運営するDIC川村記念美術館の運営を見直すと発表したそうです(2)。出典:2024年8月27日付日本経済新聞電子版DIC川村記念美術館が休館へ 資産効率で投資家が要望 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

この点、資産効率firstの投資家(3)目線からすると、こういった要求は当然(必須)なのかもしれません。しかし同美術館が、社会的に価値のある美術作品を数多く所蔵しているのも事実です。したがって、例えば、会社とは別の組織体を設立し、そこに所蔵してもらうスキームを検討するのも一法でしょうか(4)

それはさておき、世知辛い投資家(ファンド)の要求を吟味し、信頼関係を構築するのは容易ではなさそうです。

(1)旧社名:大日本インキ化学工業株式会社。

(2)同社は、「祖業がインキ事業であることから「彩りと快適」を象徴する存在として運営してきたが、投資家などから資産効率の観点から見直しを求める声があった。」

(3)同社に関して、「香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントは3月、DICの株式の保有割合を6.9%から8.56%に高めた。ポートフォリオ投資と重要提案行為を目的とし、「株主価値を守るため、重要提案行為を行うことがある」としていた。」

(4)その場合、会社には文化活動を行う覚悟が求められよう。