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いつの時代も基礎となるのは国語力

先日、興味深い論述に接しました(1)

「国語力が弱く、言葉の意味や文章の読み方、書き方が身についていない生徒が難関国立大向けのクラスでも文系理系を問わず多い。最近とみにそれを感じる。・・・数学の学習には基本的な文章読解や作文の力が必要だが、弱い生徒が少なくない。最近の学校教育ではプログラミングのように「すぐ役立つもの」を安易に導入する傾向がある。いつの時代にも必要な国語力の強化策を求めたい。」

出典:2024年8月31日付日本経済新聞電子版受験に足りない国語力 数学の答案で致命的ミス 受験考 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

同じことは大学の授業や試験で感じることがあります。実際、一定の分量の文章を読んだり書いたりした経験がない(少ない)学生さんに、①基礎となる国語力を身につけてもらいつつ、②専門としての会計や簿記に興味を持ってもらうのは難易度の高いタスクです。自戒を込めてですが、特に長い目で見ると、急がば回れ、基礎となる国語力を身につけてもらうことが一丁目一番地なのかもしれません。 

(1)他に、①(国語力を含む)教養を重視する論述(藤原正彦(2022)『日本人の真価』)、②数学の試験の採点は(必ずしも客観的ではなく)主観的というコラム(河東泰之(2024)『数学者の思案』)も興味深い。