· 

紙の手形・小切手の発行終了

3メガバンクは、2025年度中にも紙の約束手形・小切手の発行を終了するそうです。出典:2024年9月5日付日本経済新聞電子版3メガバンク、紙の約束手形・小切手の発行終了へ 三井住友銀行は25年9月 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

本件、①既に紙の手形・小切手の発行停止が始まっており、②今後は「インターネットバンキングによる振り込みや、決めた期日に金融機関の間で代金を自動送金する「電子記録債権」など電子取引が中心とな」る見込みです。

これに伴って、「明治期以来、根強く続いてきた紙を使った商慣習は転機を迎え」ます。しかし、①取引を記録する簿記の重要性は変わらず(1)、②デジタル化による「効率性や安全性が高まる効果」を得るためには、新たな内部統制の構築・運用が必要です。したがって、「手形を使ってきた中小企業の金融取引がより円滑になり、安全性も高まる」かどうかは、蓋を開けてみないと分からないように思います。

なお、手形や小切手を発行するのは預金者です。今回預金者の手形や小切手帳の発行を終了するということは、いずれ預金者が保有する銀行口座(2)の紙の通帳も終了し、デジタル化へという流れなのかもしれません。

(1)紙媒体のエビデンスがなくなることで、簿記による取引記録の重要性は一層高まるかもしれない。

(2)普通預金や定期預金など。